2012年8月31日金曜日


その異変に、最初は誰も気付かなかった。
付近に居た者は、ただの気象変化だとか
気のせいだろうと、気にも留めなかった。
遠くで、異変を偶然にも目撃できた者も
人型の雲がある、という認識でしかなく、
そこにある危機を微塵も感じてなかった。
雲と霧の境目はどこにあるのだろうか?
最初に疑問を投げかけたのは誰だったか。
「形を持った雲が、地に足を下ろした」
言葉にすれば、これだけの事でしかない。
それでも、その言葉の持つ意味は重大だ。
地に足跡を付ける雲など誰が想像したか。
気象庁の発表に依ると、あの雲の巨人は
いまだ質量を増加させ続けているらしい。

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